しかし人材育成に対して、同じ熱量で仕組みを設計している企業は、決して多くありません。研修はいまだに「実施したかどうか」で評価され、「何が変わったか」で評価されることが少ないままです。
その結果、毎年同じ研修が、同じように形骸化しながら繰り返されていきます。
この問題が解けない理由は、能力ではなく「分業」にある。
私たちは、この状況を誰かの怠慢だとは考えていません。構造の問題だと考えています。
研修会社は、「教える」ことのプロです。 学習理論にも組織課題にも精通しています。しかし、人が我を忘れて没入する体験を設計する技術は、本来その専門領域の外にあります。
ゲーム制作会社は、「面白くする」ことのプロです。 人を夢中にさせる構造をつくれます。しかし、組織で何が起きているのかを診断し、それを学習目標に翻訳する言語を持っていません。
だから、片方に頼めば「学びはあるが、誰も没入しない研修」ができ、もう片方に頼めば「楽しかったが、何を学んだのか分からないゲーム」ができます。
そして、この2つを外注でつなごうとすると、さらに厄介なことが起こります。要件が受け渡されるたびに翻訳が挟まり、そのたびに目的が少しずつ薄まっていくのです。最初に「若手の当事者意識を上げたい」だったはずの依頼が、最後には「盛り上がるゲームをつくる」に変質している。私たちは、そういう現場を何度も見てきました。
「行動が変わる体験の設計」は、この分業の隙間に落ちています。
だから私たちは、両方を一つのチームに置きました。
合同会社ASOBOARDは、この構造的な欠落を埋めるために、次の3つを選択しています。
1|ゲームデザインと人事・組織開発を、同じテーブルに置いた
市販流通の実績を持つゲームデザイナーと、数十社の採用支援・人事制度構築を手がけてきたHRの専門家が、同じ会議で設計します。「この判断場面のジレンマをどうルールに落とすか」と「この気づきを職場のどの行動に接続するか」を、翻訳を挟まずに往復させるためです。
この2つの専門性を一つの組織の中に同時に持つ会社は、私たちが知る限り、ほとんど存在しません。
2|自社ブランドで、市場に商品を出し続けている
私たちは受託制作だけの会社ではありません。自社ブランド「Play&」として企画・製造・流通まで手がけ、店頭で消費者に選ばれるかどうかという審判を受け続けています。
研修用のゲームの参加者は、「選んで買った人」ではなく「参加させられた人」です。だからこそ、市販水準の没入設計が必要だと考えています。市場に晒され続けることでしか、その水準は維持できません。
3|「作って納品」で、終わらせない
ゲームは手段であって、目的ではありません。私たちは、実施後の振り返りの問いの設計、参加者の行動宣言の記録、1〜3ヶ月後の効果測定までを、設計の範囲に含めています。
研修の効果が消えるのは、参加者が職場に戻った瞬間に、環境が何も変わっていないからです。ゲームそのものより、職場側の受け皿の設計が、行動変容の成否を分けます。
遊びは、逃避ではありません。最も真剣な学習の形です。
人は、遊んでいるときにいちばん頭を使います。負けたくないから考え、相手の意図を読み、限られた資源をどう使うかを判断する。誰かに命令されなくても、自分から。
その状態を、業務の中で意図的につくり出せたなら。組織はきっと、変わります。
私たちの理念は、「遊びに、当事者を増やす。」 です。
聞かされる人を、判断する人に。観客を、当事者に。それが、私たちがゲームという手段を選んでいる理由のすべてです。
研修が形骸化している。理念が浸透しない。若手が受け身のまま育たない。もしそうした課題をお持ちでしたら、ぜひ一度お話を聞かせてください。ゲームが最適解ではないと判断した場合は、その旨も正直にお伝えします。
遊びの力を、まだ本気で信じている会社として。皆さまとご一緒できることを楽しみにしています。
合同会社ASOBOARD 代表 戸田 和翔
